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2019.04.03
こんにちは、柴田泰孝です。
前回、「甘い生活(ドルチェビータ)」という名前の万年筆について書きました。
https://yasutakashibata.com/life/355#entry ←前回のブログは左のリンクをクリック!
ドルチェビータは僕がミラノ滞在中に初めて手にしたイタリア万年筆です。
今日は前回の続き、、、初期と現行の違いを少しお話したいと思います。
シルバー装飾:
初期モデルの方がシルバー装飾の彫金が精巧で、シルバー自体の厚みもありますし、ダブルリング仕様です←現行はシルバーが少し薄く、彫金の凹凸が少ないように思います。またリングはダブルではなくシングルです。近年の銀の価格高騰による影響だと思います。
ペン先:
初期は18金ペン先←現行は近年の価格高騰により14金にマイナーチェンジされています。かといって書き味が大きく変わるわけではありません。満足度の問題ですね。
また、初期のペン先の刻印ですがデルタの「D」です。現行はペン先のマークが刻印されています。
左のオーバーサイズのペン先に関しては、初期はシルバーとゴールドの2色仕様(バイカラー)です←現行はシルバー一色ないしはゴールド一色。
ペン芯:
ペン先をひっくり返すと、ペン芯と呼ばれる細かく切り込みのあるパーツがあります。
インクを保持し、適度に供給するために重要なパーツなのですが、写真下のミニはプラスチックのペン芯。通常はプラスチックが一般的なのですが、初期のオーバーサイズ(写真上)には「エボナイト」が使われています。エボナイトは硬く光沢を持ったゴム素材で、音楽ではサックスなどのマウスピースの素材として知られています。エボナイトペン芯の特徴はプラスチックよりもインクの保持力が高く、潤沢なインク供給が出来ることです。いわゆるインクの流れがスムーズで心地よい書き味につながるということです。←現行のオーバーサイズにはプラスチックが使われています。
普通なら気付かない(気にもならない?)小さな違いなのですが、もし、ドルチェビータをお店で見る機会がございましたら、今回のディテールに着目してみて下さい♪